心不全とは

心不全は、心臓の機能が低下して血液を十分に送り出せない、ポンプ不全の状態を指します。急性心不全と慢性心不全の2つのタイプがあります。急性心不全は急激に心機能が低下する状態で、激しい呼吸困難や咳、泡立った痰、チアノーゼ、冷や汗などがみられます。一方、慢性心不全は普段から持続的に心機能が低下している状態で、階段や坂道を上る際に息切れがみられることがあります。病状が進行すると、少しの動作でも息切れが起こり、足などにむくみや体重の増加が見られます。

心不全の検査には血液検査、心電図、胸部X線撮影、心臓超音波検査がよく行われます。

治療方法は心不全の原因によって異なります。急性心不全の患者さんでは、まず半座位の状態にし、酸素吸入を行います。その後、利尿薬、血管拡張薬、強心薬などを使用して症状を改善します。早急に原因を調べて、治療にあたることも大切です。
慢性心不全の患者さんは薬物療法(利尿薬、心保護薬、血管拡張薬、β遮断薬など)が中心となります。原因とされる心疾患が手術によって改善される場合は外科的治療も行われることがあります。また、心筋のリハビリテーションとして運動療法(有酸素運動、筋トレ)を行い、心機能低下を防ぐ対策もあります。