- 10月 7, 2024
- 10月 10, 2024
頭痛について
季節の変わり目には天気や気温に加え、気圧や昼夜の時間的な変化があり、疲労や自律神経の乱れから、体調にも少なからず影響を及ぼします。そのような悪化する症状の一つに「頭痛」があります。ただ、一言に頭痛と言っても、いくつもの種類と原因があり、医師の処方する頭痛薬はもちろん、市販されている頭痛薬もいろいろな種類があります。
慢性頭痛、急性頭痛
慢性的に起こる頭痛として多いのは、肩こりなどからくる緊張性頭痛や、片頭痛と言われるものがありますが、原因不明も少なくありません。群発性頭痛と呼ばれる重篤で、かなり症状のつらいものもあります。痛みの場所や程度も違うので、よくお話をお伺いして鑑別が必要です。また最近は気象病の一つとして、低気圧頭痛なども話題になっています。ほかに眼精疲労、ストレス、寝不足、冷え、感染症や発熱に伴うものなど実に多くの原因があります。
また、急性の頭痛も見逃せません。これまで頭痛症状がなかった方が、急激な頭痛、増悪してくる頭痛などがある場合、また、これまでに経験したことがないような頭痛などは特に注意が必要です。くも膜下出血などの脳出血に伴うもの、髄膜炎、脳腫瘍、薬物による頭痛などの可能性もあります。早めの医療機関受診をお勧めいたします。
いろいろな頭痛の原因に加え、複数の原因が混在していることもあるため、正直、医師としても治療薬の選択が難しいことがあります。よく見かけるロキソプロフェン(ロキソニン®)などは比較的処方されますが、効きにくい方も一定数おり、多用することで悪化してしまうこともあります。原因により薬も変わり、頓服(症状のある時に使用する)薬や、予防薬など数種類あり、複数の薬を服用いただく方も少なくありません。
頭痛治療の専門科は脳神経内科や脳神経外科、もしくは頭痛外来という形で診療を行っている医療機関もあり、症状が強かったり、一般的な処方で症状が改善しない方は、精密検査も含めてご紹介をさせていただくこともございます。
頭痛の漢方薬
当院で扱う漢方薬にも頭痛の薬が複数あり、一般的な西洋薬の薬と併用することも多くなっています。
例えば、漢方薬の頭痛薬として有名な「五苓散」という薬があります。気象病として低気圧に関連する頭痛の薬としてよく使用されます。体の水の代謝を整える薬ですが、頭痛だけでなく、いろいろな効果があり、消化器病や脳神経外科疾患などへの作用も確認されており、多彩な効能をもっています。
肩こりに伴う頭痛薬として、意外に思われるかもしれませんが「葛根湯」があります。風邪薬で有名な薬ですが、首筋を中心とする肩こりに以外に効果を発揮します。(漢方に詳しい方でしたら既にご存じかもしれません)しかし多用すると胃に障ることがあり、胃腸が弱い方の服用は注意が必要です。また釣藤散という薬も肩こり、高血圧がある場合は良く用いられます。
その他にもいろいろな頭痛の薬があります。呉茱萸湯、桂枝人参湯、川きゅう茶調散など、様々な頭痛の原因(冷えや消化機能、ストレス、体力、血圧など)を考慮しながら処方を考えてゆきます。一般的な頭痛薬で副作用が出てしまう方は、漢方を併用することで薬の減量や、副作用を軽減できることもあります。なにかお困りの症状がありましたらお気軽にご相談ください。