• 9月 27, 2024
  • 10月 4, 2024

秋の養生と漢方

やっと秋めいた気候になってまいりました。9月も終わりに近づき、「年末」という雰囲気が少しずつ忍び寄る今日この頃です。実りの秋、スポーツの秋、食欲の… など、夏の暑い時期とは別の意味で活動的になる時期でもあります。

ただ、秋には、気を付けなくてはならない体調の変化や、落とし穴もいくつかありますので、東洋医学的な養生と漢方について、少し解説したいと思います。

まず注意が必要なのは、この時期の気温の低下(乱高下)と乾燥です。ダメージを防ぐためには、薄着をしないこと、のど(の粘膜)が乾燥しないように気を付けることが大切です。

食べ物ではうるち米やもち米、琵琶、梨などの果物や、乳製品もよいといわれます。漢方の視点からいうと、生姜などを含む(体を温める)薬や、のどを潤す麦門冬、天門冬といった生薬を含む薬を使うことが多くなります。

秋の健康について、意外な落とし穴があります。それは「過眠」です。睡眠時間は多くの成人の場合1日7~8時間が良いといわれております。個人差はありますが、長すぎても短すぎても体調に悪影響があります。しかし、この時期、夏の寝苦しさから解放され、日の出も遅くなり、休みの日などついつい余計に寝てしまうことが多いため、できるだけ早寝早起き、規則正しい生活を心がけてください。

また、秋の物憂げな風景や、年末を意識し始めると、どうしても精神的な「憂い」「悲しみ」「寂しさ」といった感情が強くなります。ある意味では落ち着いた心持になるということでもあり、これが病気に直結するわけではありません。しかしあまりに感傷的になると、気落ち⤵や、うつ傾向などの症状が出やすくなります。これに抗うために、適度なストレスの発散や、軽い運動などをお勧めします。くれぐれも、食べ過ぎ、飲みすぎ、過活動(過度な運動や感情の高ぶり)にはご注意ください。漢方的な視点では、香蘇散や半夏厚朴湯などは、この気分的な落ち込みによく使用されます。

冬の厳しい寒さへの準備期間でもありますので、年末年始に体調を崩さないためにも、この秋の過ごした方にご注意をいただき、ゆっくりを英気を養ってください。

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